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2008年6月15日日曜日

躁うつ病とはどんな病気?


誰にでも喜怒哀楽という感情の変化はあるものです。
しかし、悲嘆や落ち込み、気分の高まりが、普通に体験する出来事にしては強く現れすぎたり、その出来事とは無関係に感情の変化が現れ、自分でコントロールできなくなったりします。
このような状態が躁うつ病の特徴です。

躁うつ病は3つに分けられ、躁とうつ状態の両方が交互に現れるもの(循環型)と、うつ症状が主体で現れるもの(うつ病型)、躁状態だけが現れるもの(単極型躁病)があります。

躁うつ病になると対人関係や仕事の遂行力が損なわれ、家族もいろいろなトラブルに巻き込まれることがあり、自らも苦しむことになります。

発祥頻度は、うつ病相を主体とする躁うつ病、躁病相とうつ病相が交代する循環型、単極型躁病の順に多く、原因はセロトニンやノルアドレナリンなど、脳内の神経伝達物質の量の変化や、これらに反応する部位の異常、遺伝、ホルモン代謝異常、それに心理・社会的諸要因などが複雑にからみあって発症するといわれています。しかしながら、本当のところはまだ解明されてはいません。
また、まれに躁病相とうつ病相が短時間で激しく交代するタイプ(ラピッド・サイクラー)があります。

症状について

躁状態とうつ状態が交互に現れる躁うつ病では、うつ状態と躁状態が同じくらいの感覚でやってくるもの、うつ状態が長くて、躁状態が短いものやその逆のケースなど、人によっていろいろなパターンがあります。

躁状態になると、全てが楽観的になり、気分は爽快で気力が充実し、睡眠時間が少なくても元気に過ごせます。
口数が増え、しゃべり方も流れるようにスムーズになり、あらゆるものに興味を示します。表情もいきいきとし、自分が偉くなったような、何でも出来るんだという誇大妄想に陥ります。

自分がお金持ちになった気分になり、非常識的な浪費、ギャンブルなどに走り、問題を起こすこともあります。
思考、行動面でも抑制がきかなくなり、考えが次から次へと湧き出し、朝から晩まで友人を訪ねて歩いたり、深夜でもおかまいなく電話をかけて話をします。
こうしたことを非難されると、些細なことでも興奮し、攻撃的になります。
さらに症状が進むと、落ち着いていられず、大声で歌を歌ったり、踊りまくったりするという行動もみられます。

こうしたことを周囲から非難されたり、無理やり抑えつけようとすると、激しい興奮状態になり、乱暴することもあります。
躁からうつに移行する境目や、躁とうつの混じった状態では、感情、思考、意欲などがばらばらになり、不機嫌で怒りっぽくなることが多くなります。また、うつ状態になると、うつ病の症状が現れます。

周囲の人の対応

躁うつ病では、躁状態を抑える薬と、気分を安定させる薬などの薬物療法が中心となります。
服用中は、気分が安定してくるのですが、これを「治った」と誤解して自分や家族の判断で薬をやめてしまい、ぶり返すことがよくあります。

医師から指示が出るまでは薬はきちんと服用することです。

また、躁うつ病の人をもつ家族は、一連の症状に驚き、歯がゆい気持ちもあるでしょうが、「病気にかかっている」ということを忘れずに、励ましたり、叱ったりしないことが大切です。